JR北海道は、石北本線などで運行している特急型気動車「キハ183系」について、2023年春頃をもってすべての運行を終了すると発表しました。
「オホーツク」「大雪」定期運行は22年度限り
183系は、気候が厳しい北海道での特急運用に特化して国鉄が設計した気動車系列です。これまで特急「おおぞら」「とかち」「サロベツ」「北斗」などに投入され道内各地で活躍しましたが、現在の定期運行列車は石北本線の特急「オホーツク」(札幌駅〜網走駅間)および「大雪」(旭川駅〜網走駅間)を残すのみとなっています。
現存する183系車両は1986年(昭和61年)11月から運行を開始し、車齢は35年を超え、道内では現役最古の特急型気動車となっています。石北本線の特急列車は、2021年度まで特急「おおぞら」として運行していたキハ283系車両へと置き換えられることになり、183系による「オホーツク」「大雪」の定期運行は2022年度をもって終了します。
また、観光仕様の183系として1992年(平成4年)に登場した「ノースレインボーエクスプレス」車両についても、2023年春をもって運行が終了します。これまで主に臨時列車として、「はこだてエクスプレス」「フラノラベンダーエクスプレス」「流氷特急オホーツクの嵐」などで使用されました。今後は2022年9月3日(土)〜25日(日)の計16日間、函館本線「山線」経由の札幌駅〜倶知安駅〜函館駅間で特急「ニセコ号」として運行される予定です(運転日、主な駅の時刻表など詳細は下の図表を参照)。
「かぶりつきシート」席数拡大
JR北海道は「いまこそ輝け! 北のキハ183系」キャンペーンと題し、183系特急列車に乗ってオホーツクへの旅を楽しむ企画を実施しています。183系は道内の定期特急車両で唯一、客席から前面(後方)展望を楽しめることを活かし、乗務員室直後の座席を指定席の「かぶりつきシート」として発売しています。7月からは従来の1号車に加え、4号車の2席も指定席に設定し、合計4席を事前申し込みできるよう拡充しています。
また、石北本線をはじめ、これまで183系車両が走った全道10駅では「いまこそ輝け! 北のキハ183系 記念入場券」が枚数限定で発売中です。石北本線ゆかりの5駅(旭川駅、上川駅、遠軽駅、北見駅、網走駅)の入場券を集めた方には「5駅達成特別カード」のプレゼントも用意されています。そのほか、復刻塗装車両の運行、懐かしのヘッドマーク復刻、特製ペナントのプレゼントなど、キャンペーン特設サイトには“行って楽しい”“乗って楽しい”183系企画が紹介されています。
なお、183系の具体的な運行終了時期やラストラン企画については、決まり次第告知するとのことです。